活動報告 2013-2014
移動例会
2014.3.11 三井倶楽部
3月11日、国際奉仕委員会では三井倶楽部において米山留学生を囲んでの移動例会を行いました。
4つのテーブルに分かれ、おいしい食事をとりながら留学生が日本に対して思うこと、学んだことをこれからどう生かしていきたいかなどを中心とした歓談を行いました。
各テーブルでの歓談内容を簡単ながら紹介させていただきます。
Aテーブル ( 猫田 岳治 )
今回、Aテーブルでは米山留学生の劉さんを囲んでのフリーディスカッションを行いました。
劉さんに「反日教育」のことを聞くと、彼女が言うには我々がマスコミ等で聞いているような「反日教育」というのはないと断言していました。
歴史の教科書の近代史の一部に日本との戦争・侵略のことが書か
れているが、我々が考えている反日教育というものは一般的ではないとのことでした。
考えてみれば日本とアメリカも今は同盟国とはいえ、太平洋戦争のことを考えるとその惨たらしさが
教科書には強調して書かれているわけではないのと同じことだと思いました。
日本にきて、中国に「これが日本の家庭料理だ!」と紹介するとしたら何を選ぶかとの質問に、彼女は迷わず「カレーライス」といったのが印象的でした。
また、彼女は日本語教育を専攻しているので語学を通じて文化の違いが分かる教育を中国人には日本語を日本人には中国語を教えていきたいとのことでした。
最後に、彼女の話を聞いて感じたことは、「中国の学生はよく勉強している」ということでした。小学生の時から朝から夕方まで、
高校になってからは夜の9時まで学校で勉強しているとのことでした。劉さんが特別なのかと聞くと、ほとんどの学校がそうだとのことでした。
日本ではゆとり教育に終止符が打たれましたが、ゆとり世代の親子が子育てを終わるまでは教育レベルの凋落は止まらないかもしれません。
いわんやお隣の国、中国との教育レベルの差はどうなるかと不安になりました。
Bテーブル ( 妻島 不三二 )
留学生の呉鋒花さんとテーブルを囲み、日本に来てよかったことをお話しいただきました。
確かに日本に来ることによって失ったこともありましたが、本当に日本に、特に千葉に来てよかったというお気持ちを持っていただいたことは非常にうれしいことでした。
最初にお話しいただいたのはロータリークラブへの感謝の気持ちでした。彼女は、「もし米山奨学生になっていなかったら、
今頃は学費・生活費を稼ぐためだけで精いっぱいだったと思います。カウンセラーの先生をはじめ、ロータリアンの方々への感謝の気持ちで一杯です。
そして毎月ロータリーの例会へ出席し、会員の皆様とお目にかかるのが楽しみです。
様々な業界で成功した方々から学校では学べない人生の経験などを聞かせていただき、これから社会へ踏み出す私にとってはきっと貴重な宝物になると思います」
とおっしゃっていました。
そしてロータリークラブの活動で特に印象深かったことを3つお話しいただきました。
一つ目は、米山奨学生としてお寺での例会に参加したのをはじめ、茶道部や夏のお祭り、納涼例会、クリスマスパーティー、国際奉仕活動等に参加することで
日本の文化についてもっと深く知ることができたこと。
二つ目は、千葉南ロータリークラブが主催した第11回国際里山会に参加した時に、初めて草刈りを体験し、自然を守っていくべきだという意識が高まったこと。
またそのときに知り合った四街道市の議員さんのお宅に、夏休みを利用したホームスティをさせていただいた時のことでした。
その方は、30年前にロータリーの奨学生としてアメリカに留学されたことがあり、ずっとロータリーに恩返しをしたいという気持ちが強かったそうです。
二泊三日の短いホームスティでしたが、久しぶりに家というあたたかさを感じ、たくさんの思い出をつくることができたそうです。
また、昨年初めて卓話をさせていただいた時、皆様の手厚いおもてなしに感動した事です。特に松戸北の会長様は一人二役で日本語と中国語でご挨拶なさり、
あまりにも流暢な中国語で驚きました。伺ってみたら、独学でここまでに至ったという話を聞き、
「10何年もかけて日本語を習ってきたにもかかわらずまだまだ下手な自分が恥ずかしい。もっと頑張らなくては。」と改めて決意したとのことでした。
Cテーブル ( 斎藤 由紀 )
米山留学生の唐エイ(エイは草冠に宝)さんを囲んでお話を伺いました。
まず、日本に来て一番印象に残ったこととして、電車の時間が驚くほど正確であること、ごみの分類が多く環境が清潔・整然であることを挙げられました。
また、日本に来てよかったと思うことは、知識や文化を色々と勉強することと同時に、
日本人が物事に対して細部まで丁寧に練るという性格を持つことに感銘を受けたということです。
具体的にいうと定員のサービスの丁寧さ、周囲の人への気配り、店で売られているお菓子の形などいろいろな面から繊細さを感じることができる点です。
日本人の中にある暖かさを感じることができたとおっしゃたことに、同じ日本人として嬉しさを覚えました。
そして、日本についてどのようなことを学んだかという質問に対しては、自分の専門である言語教育の面から見えたことをいくつかお伝えいただきました。
唐さんは大学院で「人間が言語を習得する際に、その方法および母国語がどのように影響するのか」など言語教育全般の知識を学んだそうです。
特に母国では日本語を使う機会が少なかったが、来日してからは周りの日本人から自然な日本語を学び、話し、論文を書けるまで成長できたことが大きな喜びとなったこと、
そしてロータリーに招いていただいたことで茶道や花火大会などをはじめとした他国では体験できない日本文化を体験し、
それを自分の人生に宝石のような存在として積むことができたことに対して、感謝の念を伝えていただきました。
最後に、この経験を帰国後にどう生かしていきたいかという点に関しては、自分の生活の過ごし方と仕事のやり方に、
物事の細部を大切にして丁寧に練るという日本文化を生かしていきたいとおっしゃっていました。
このように、私たちの国際交流に関する働きがわずかであっても実を結ぶことができたことは非常に喜ばしいことであると思います。
Dテーブル ( 田中 駿平 )
Dテーブルは留学生の常楠さんを囲んでおいしい食事とワインを楽しみながら歓談を重ねた。
中国・大連出身の常楠さんは、母国で少し日本語を学んだ(ひらがな位は書けました、と本人は謙遜していた)後、
提携校の明徳義塾(高知)の高等部に留学、その後麗澤大学に入学、学部と大学院修士課程で経営学を学び、200頁に及ぶ修士論文を仕上げてこのたびめでたく大学院を修了し、
いよいよ3月29日帰国して郷里の大手電力会社・華能に就職することが決まっている。ここは、ご両親も仕事をされていて、
特にお父さんは責任ある立場におられるとのことだった。
自立し始めた16歳の時から足掛け8年間を日本で過ごした彼女にしてみれば、あえて日中の比較をするというには日本に馴染み切っている感じがあって、
「日本に来て一番に印象に残ったことは?」との質問に対しても、「毎日毎日が印象的であった(或は、あるように努めた)」との彼女の答えがむしろ印象的であった。
日本での学びの主なところは、特に大学院でのマーケティングは当然として、人間関係での気配りの大切さにも言及していた。
日本に来てよかったことは?と問われて、一言では言い切れないところを敢えて「人々との出会い」と答えてくれた。
もちろん、ロータリークラブ会員との間に紡いだ数々の思い出も重ねているだろうと思った。
そのような人間関係の中で、日本の人々に伝えたいメッセージとして彼女が口にしたのは、もっともっと自己表現を大切にしたほうがいいのではないかということだった。
遠慮や配慮、それと自己表現・自己主張との関係、という人間関係或は国際関係の中での異文化間の相違という問題を改めて考えさせられるものであった。
最後に帰国後のことについては、日本語能力を活用する可能性は就職先の現状ではほとんど考えられないが、
日本で学んだチームワークへの配慮を大切にしていきたいと結んでくれた。そして「形式知」と「暗黙知」の両方を大切にしなければならないと思うとも付け加えてくれた。
ふれあい訪問
2013.11.30 光ヶ丘地区
今回で3回目の活動となった「独居老人にお花を贈ろう」の社会奉仕活動報告を致します。
光ヶ丘地区にお独りでお住まいの方を一軒ずつ訪問して直接ミニシクラメンの鉢植え手渡しして参りました。
民生委員の方々のお力もお借りして、奉仕プロジェクト委員長田中清会員、社会奉仕委員長の八木会員、会長、幹事、猫田会員、森会員、宮会員の
7名で直接お花を渡ししてきました。